He is there.


ちょっとだけ言葉が交わせたぐらいかな。

立ち姿にその人の歴史が映る、シャツの具合がなんともカッコいいオヤジ。
何がというよりは「気になった」、ただそれだけ。

彼は畑のまわりのゴミを素手で拾いカゴに入れて行く。
空き缶は上から鷲掴みにして、中身が入っていればそのままひっくり返して中身を出す。鷲掴みにしたままだから当然中の液体は手を伝って地に落ちる。全然気にしていない。自分のテリトリーの偵察が終われば鶏の様子を見たり、牛の動向を追う。それ以外の事は分からない。

「なぜヘルメットを被っているのか?」と聞いてみた(英語で)。
何度かトライしてみても英語は通じなかった。
結果、ヘルメットを脱いで「微笑んだ」。

何となくいつもの様に手が出てしまった、「握手」してみたくなって。
その時彼が「Terima kasih」と言っていたかも、そんな気がした。

Photo@balian SEGARA